復原工事は難しい
私、今年最後の仕事は、家からほど近いお宅の
減築により、トイレ増築の、ちっちゃな仕事です。
明日から着工予定ですが、年内完成!はちょいと無理かなぁ(笑)
本日、その準備に行って来ましたぁ。
このお宅のすぐ前、今度1万円札になるこのお方の
ご実家があります。
最近、かなりのお金をかけて、復原・耐震工事を
大手ゼネコンS水建設さんが手がけた物件です。
まわりの皆んなから、山田さん一度見て下さいとの
ご要望がありましたので、ちらり、見学に行って来ました。
この私、若い頃から何度か、この会社の仕事に
携わらせて頂いた事があります。
さすが、すっげーな!との印象。。
皆んな、ガタガタ言う必要ないのに・・・っと、
ま、準備の合間に、見学させて頂きましたぁ。↓
このお宅と言えば・・・この軒瓦・・↓
そう、剣に彫り込みがしてあるのが印象的。
主屋より新しい門・塀ですが、良い味出してますね♪
さて、主屋、どの時代で復原してあるのかな??
鬼瓦漆喰影盛りや、紐漆喰、ケラバ漆喰・丸漆喰は
小江戸川越の蔵等にあるように、施してあったのでしょうが?
事、この、平瓦漆喰は、昭和30~40年頃、
この辺の地域に、インチキ漆喰屋なるものが
はびこった時代。塗られちゃった形跡だか?写真が
出てきちゃったんでしょうね。
この、無用な漆喰の為の、灰汁。
これも復原・
この桟瓦の口空きも・・↓
忠実に復原してあるんでしょうね。
あと、この絶妙な部分むくり、↓
流石です。
軒裏も、敷き平入りです。↓
・
↑通気もバッチリです。
1億円の工事は、やっぱ違いますね♪
あと、3億円とかの耐震工事もすてきです↓
丸太の梁が大黒柱に刺さって、適度な優しい揺れ等
言っている俺は、時代遅れなのかなぁ?っと勉強になります(爆)
このお方の、ご実家です↓
簡易梱包一考。
お洒落な屋根、部分葺き替え工事。。
当社、総勢1馬力にて、こつこつやってます。
下地直し等、うんぬんかんぬん。。
いよいよ、本業、瓦葺きに突入です。
地割り(じわり)を済ませて、いよいよ
瓦上げです。
ここの所、修理続きで、瓦上げなんて、
ちょっと、新鮮。。(爆)
これまた、総勢1馬力にて、(くどい)
瓦上げです。ここで、ちょっと待ったコール!
見て・・・・↓
えーっ??いつからパットなしになったの???
メーカーさんも、エコだのなんだの環境に優しいだの、
思い切った決断は、わかるのですが・・・・
還暦過ぎのじじいが物申すのは、大変おこがましいのですが。
一部の人間が、当て紙は、ごみになる。
処分に困る。風が吹くと、飛んで行ってしまう等
ほざきますが、あの、当て紙、紙っぺら1枚が、
どれだけ、瓦に優しいか。。
パットは、単なるメーカーの宣伝ではないのよ。
見てよ↓
トラックで、何百キロの距離運ばれてくるのよ。
瓦同士も、当然こすられる訳なのですよ。。
損得だけではなく、瓦が、かわいそうで、かわいそうで。
さの通り!何か変な残骸が・・・↓
微妙な欠らが・・・
見えない箇所ならまだしも・・・
↑この辺に出られると、厄介だ!
選別しながら、葺かなくては。。これも厄介だ!
紙代がもったいないのであれば、せめて、新聞紙1枚でも
おっ挟んでくれ~っ。
っと、じじいの独り言(笑)
もう限界。。
本日より、雨漏りでお困りの、お宅の、
屋根瓦部分葺き替えに入っております。
築、昭和30年代。
これぞ!関東流と言う、私の教科書のような
お家です。↓
見て、関東独特の、青海麻の葉積み・・・↓
このような棟。。俺、好きだなぁ!
やれ!ガイドライン違反だ!、この棟は、崩れる等、
出来もしない奴が、もっともらしい事抜かすから
始末に悪い。。
実はこの棟。具志(ぐし)、(棟)は高く積みたいのに
我が地方の冬は、雪はあまり降りませんが・・・
赤城降ろしと言う、冷たい北西の強風、空っ風(からっかぜ)
が吹く地域。。
ベタ積みでは、この風を、まともに受けて、
家が、揺れる等の弊害があるのは、事実です。
ここで、中を空洞にして、風抜けを良くしたのが
この棟。「青海麻の葉積み」なんです。
私は、地域に根付いた、先人の知恵。
これを、尊重して行きたいと思っています。
皆さんの地域でも、その土地に根付いた色々な棟意匠
ありますでしょ??
ここを、全国統一マニュアル等で、ひとくくりにするのは、
実に、ナンセンスな事だと思います。
さて、今回は、この上屋、一部下屋は、手直しに
とどまり、もう限界のこの箇所だけの、
部分葺き替えと言う事で、着工です。↓
土葺きだぜぃ!
今回のお施主さん、色々な業者に見積りを
依頼したそうな。。
でも、どおせなら、この屋根の価値を
分ってもらえる業者に依頼したいと、当社、ご指名です。
変な奴らに、いじってもらいたくないんだって。。
正解!!(自分で言ってどうする??)(笑)